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消えゆく

2015/12/02

 

徳島県勝浦郡上勝町。

「いろどり(葉っぱビジネス)」の村といえば知っている人もいるでしょう。この村は私の母親が生まれ育った場所です。そして、この写真はその母親が育った家で撮ったものです。

 

この写真をグループ展に出した時に「パート・オブ・カラー(特定の色のみ残す)でレタッチしたんですね」と言われましたが、そうではありません。この家は築300年以上経っており、国の重要文化財にも指定されているほどなので、背景の木板も色褪せてこんな色をしています。

 

上勝町はIターンでも注目されていますが、人口は減り続けており、私から見ると限界集落そのものです。この家にも私の祖母が住んでいますが、後を継ぐ者はいません。周囲にも空き家が目立ち始めています。

 

上勝町とは一体どんな村なのでしょうか。少なくともコンビニもスーパーもありません。携帯電話はかろうじて繋がります。飲める沸き水が家の裏を流れています。山間の村なので、田んぼは棚田です。周囲が山なので月の光が届かず、夜は恐怖を覚える程に漆黒の闇に包まれます。しかし、夜空を見上げると、見たことが無い程の数の星がきらめいています(あまりに暗くて恐怖で家に入りたくなりますが)。

 

この村の良さは子供の私にはわかりませんでした。しかし、上京して30歳を越えた今、この村が消えるのはあまりにも惜しいと思うようになりました。この村の光景、そしてここで体験できること、それらが消えていくのは本当に惜しいです。たくさんの人にこの村の光景を見て欲しい・体験して欲しい。だから、この家を民宿にしてはどうか。そんなことさえ考えました。そういった場所は、きっとここだけではないのでしょう。日本には他にもたくさんあるはず。

 

都市に人口が集中して、このような限界集落が生まれるという流れを止めることは難しいと思います。願わくば、自分の子供達にもこの光景を見せてあげたいですが、それは叶わない願いなのかもしれません。私にできることは、この光景を写真に収めることくらいなのかもしれません。

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